ホウ砂に吹かれて

コンサータ72mg男が書きたいことを書きたいときに書くブログ

アレンジ物に着目した東関東吹奏楽コンクール高等学校の部A部門2018

 

 

さて、早速ではありますが、先日9/8は2018年第24回東関東吹奏楽コンクール高等学校の部A部門が行われました。

今年も聴きに行きましたので、そのことについて書いてまいりたいと思いますが、全団体の感想を書くスキルがないので、今回はオーケストラからのアレンジ物を取り上げた学校について書いていきたいと思います。

吹奏楽コンクールが好きな人も、そうでない人も、最後までお付き合いいただけましたらうれしい限りです。

 

 

1.神奈川県代表 県立横浜緑ヶ丘高等学校

交響詩「ローマの噴水」より(O.レスピーギ/木村吉宏)―銅賞

4つの楽章からの抜粋を演奏されていましたが、それぞれの楽章のキャラクターをよく表現できていたように思います。欲を言えば、強奏時における低音群の存在感だったり、弱奏時の繊細さ、丁寧さや安定感が増せばもっと良くなるのではないかと感じました。

 

heteml

2.千葉県代表 船橋市立船橋高等学校

バレエ音楽「三角帽子」より(M.ファリャ/保科洋)―銀賞

まず、序奏のトランペットソロですが、非常に上手でした。それに続く、粉屋の女房の踊り、隣人たちの踊り、終幕の踊りは、正直なところおとなしめの演奏だな、という印象があり、もっと情熱的な盛り上がりがあった方が個人的には好みでした。

 

「グーペ」

4.栃木県代表 県立石橋高等学校

バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より(M.ラヴェル/岩原篤男)―銅賞

夜明けの冒頭の連符は(難しいのは重々承知しておりますが、)より音の粒がはっきり聞こえた方が良かったです。それに続く旋律は大きめですが、個人的にはこれくらい吹いてくれた方がいいと思いました(人によっては、吹きすぎと思う人もいるかもしれませんが・・・)。全員の踊りは勢いだけで押し切るような演奏ではなく(そういう演奏も嫌いではないのですが)、理性的に演奏されていたように思います。

 

heteml

11.神奈川県代表 三浦学苑高等学校

交響詩英雄の生涯」作品40(R.シュトラウス/三井英健)―銀賞

冒頭の低音群の旋律で始まったところは、「かっこいい!」と思わず唸ってしまいました。それ以降も、金管や低音群の力強さや木管楽器群の透き通るようなサウンド、演奏をしっかりと引き締めていた打楽器群が非常に印象的でした。ラストのコードも美しく決まっていました。

 

「グーペ」

13.千葉県代表 習志野市立習志野高等学校

組曲展覧会の絵」より(M.ムソルグスキー/石津谷治法)―金賞・代表

習志野高校は2008年にも展覧会の絵を取り上げていましたが、今年はガラッと変わった編曲となっていました。冒頭のプロムナードでは、自分の持っていた先入観とは違う音がしたため、少し戸惑いましたが、木管群の温かみのあるサウンドを中心に奏でられ、個人的にはホッとするようなプロムナードでした。最後のキエフの大門は、非常に感動的で、なおかつ音楽のスケールの大きさを見せつけられたような気分でした。全国大会では、東関東大会以上に素晴らしい「展覧会の絵」が披露されることを期待しています。

 

heteml

16.茨城県代表 大成女子高等学校

交響詩「ローマの祭り」より(O.レスピーギ森田一浩)―銀賞

茨城県大会でも素晴らしい演奏を聴かせていただきましたが、東関東大会ではさらに進化を遂げていました。チルチェンセスでのバンダのトランペットは、バッチリと決まっていて、音が良く飛んでいました。主顕祭では祭りの盛り上がりが良く表現されており、テクニカル的に難しい部分も良く吹けていて、盛り上がりに花を添えていました。

 

「グーペ」

22.神奈川県代表 横浜創英中学・高等学校

歌劇「トゥーランドット」より(G.プッチーニ/後藤洋)―金賞

この後藤氏編曲のトゥーランドットはコンクールや各種演奏会で非常に多くの団体に取り上げられており、吹奏楽をよく聴く人であれば、(言い方は悪いですが・・・)飽きてしまっている人もいるのではないかと思います。しかしながら、この日の演奏は音楽に推進力があり、「誰も寝てはならぬ」といった歌心を求められるシーンでは美しいサウンドでしっかりと歌心を聴かせていただき、新鮮ささえ感じてしまいました。惜しくも東関東大会では、全国大会への切符をつかむことはできませんでしたが、代表に選ばれた演奏と比較しても何ら遜色のない演奏だったと思います。

 

heteml

23.神奈川県代表 東海大学付属相模高等学校

バレエ音楽シバの女王ベルキス」(O.レスピーギ/堤慎吾)―金賞

終始、トルクがあり、生き生きとした演奏でした。この曲の持ち味である迫力だけでなく、テクニカルなところも申し分ない仕上がりでした。欲を言えば、強奏時の金管木管・打楽器のバランスにもう一工夫あれば、もっと良かったです。しかしながら、文句なしの金賞に値する演奏でした。

 

「グーペ」

24.茨城県代表 常総学院高等学校

交響詩ドンファン》作品20(R.シュトラウス/本図智夫)―金賞・代表

こちらも茨城県大会では圧巻の演奏を聴かせていただきましたが、東関東大会ではさらに磨きのかかった演奏となっていました。この曲の持つ華やかさが存分に発揮され、テクニカル的にも難しかったとは思いますが、音の動きがクリアに聴き取れる演奏でした(これってスゴいことなんですよ!)。全国大会、朝一番で大変な中だとは思いますが、是非金賞を受賞して2000年のリベンジを果たしていただきたいものです(僕の勝手な期待です)。

 

 

以上、アレンジ物を取り上げた学校について感想を書いてきましたが、このほかの学校も全て素晴らしい演奏で、正直どこが全国大会へ推薦されてもおかしくないレベルの高い大会だったように思います。

今回はここまでにいたしますが、最後までお付き合いくださった皆様、どうもありがとうございました。

次回、またお会いしましょう!アディオス!