ホウ砂に吹かれて

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第61回千葉県吹奏楽コンクール2019本選大会高等学校の部A部門について

 

遅くなりましたが、表題の件につきまして、聴きに行きましたので、ご報告いたします!

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大会の概要と結果

概要

第61回 令和元年度 千葉県吹奏楽コンクール 2019 本選大会 高等学校の部A部門

2019.08.12 千葉県文化会館

審査員
大津 立史 サクソフォーン シエナ・ウインド・オーケストラ
鈴木 英史 作曲      作曲家
須山 芳博 ホルン     武蔵野音楽大学専任講師・洗足学園音楽大学客員教授
角田  晃 クラリネット  洗足学園音楽大学名誉教授
増井 信貴 指揮      京都市芸術大学名誉教授・東京音楽大学教授
水口  透 トランペット  トランペット奏者・編曲家
目黒 一則 打楽器     国立音楽大学講師

審査結果

 コチラ↓のつぶやきをお借りして結果をご報告いたします。

本選に出場された18校のうち、上記のつぶやきの7校が東関東大会への出場を決めました。おめでとうございます。
また、習志野市立習志野高等学校ヤマハ賞(2位)を、柏市立柏高等学校が県教育長賞・朝日賞・県知事賞(1位)を受賞しています。

客席入れ替えの件について、っていうか愚痴

千葉県の本選大会では、(岩手県大会高等学校の部や茨城県大会高等学校の部A部門とは異なり)前半及び後半の部と分けられ客席の入れ替えが行われました。前半の部の入場券は当然のことながら、当日の朝並んで買ったのですが、後半の部の入場券の販売開始時間が(これがまた意地悪で)前半の部が執り行われている途中だったんです。ですから今思えば、後半の部の入場券を買うには休憩時間に席を立って休憩明けの学校の演奏を諦めるか、習志野高の演奏が終わったら入場券を買いに行き、それ以降の演奏を聴かないかのいずれかになってしまうという状況でした。
前半の部の演奏をすべてキッチリと聞いてしまった僕は残念ながら、後半の部の入場券を入手できませんでした(後半の部の学校の即売CDを予約していたのですが…)。
(千葉県の吹奏楽連盟は前半の部の客層と後半の部の客層を変える狙いでもあったのでしょうか?)
できれば、朝に前半・後半の入場券を両方販売していただくか、後半の部の入場券を前半の部を全部聴いても購入できるように配慮していただけませんかね?ダメですか?

個人的に引っかかるところがあった学校とその感想(前半の部だけ)

3.船橋市立船橋高等学校(指揮・高橋健一

課題曲:Ⅱ マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介)
自由曲:シンフォニエッタ第3番「響きの森」(福島弘和)

課題曲は、冒頭のドファソラシドー(合ってます?)をはじめ、随所で出てくるアクセントが浮き出てくるような工夫が欲しいですネ(他のパートにもアクセントが付いているんですけどね…そこはどこを浮き立たせるか要研究です。しかし、この曲はアクセントが多用されていますね)。また、トリオなどでよく目立つのですが、音の跳躍などで上がった音程が少々気になりました。
自由曲では、非常にゴージャスな音がしますネ。音が薄い箇所でも安定感が失われない点は流石です。また、中盤から後半にかけて繰り返し出てくる旋律をいかに新鮮さを失わせずに聴かせるかが鍵だと思います。東関東大会でも感銘度の高い演奏を期待しております。―代表

4.県立松戸六実高等学校(指揮・吉田直

課題曲:Ⅰ 「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲(林大地)
自由曲:シネマ・シメリック(天野正道

今まで聴いてきた課題曲Ⅰの中で各セクションがここまでうまくかみ合っていた演奏はなかなか無かったように思います。どのような練習をしたらこのような演奏になるのでしょうか。敬意を表したいと思います。ただ、H以降はホルンを中心とした中音域群はもっと存在感を発揮してもよかったと思います。
シネマ・シメリック、自由曲はだいぶテンポ設定が早く感じられました。音楽の流れのスムーズさはありましたが、その中で歌い込みなり、ドラマチックさを表現するにはどこか限界があるように思われます。バンドの力量に対して、少しもったいないという印象を抱きました。

5.県立幕張総合高等学校(指揮・伊藤巧真)

課題曲:Ⅱ マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介)
自由曲:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(M.ラヴェル/真島俊夫

課題曲マーチの演奏に対して、どこか"内向的"という印象が最後までついて回りました。せっかくの若さあふれる高校生が演奏するマーチなのですから、もっと元気の良さとか、爽やかさのある演奏が聴きたかったというのが、僕の身勝手な感想です。
(「ウチは"吹奏楽部"じゃねぇんだから、これでいいんだョ」と言われてしまったら、それまでなのですが…)
あと、トランペットさん、もう少し発音は丁寧にお願いしますネ。
自由曲が始まると、課題曲での"内向的な"印象はどこへやら、充実したサウンドが広がりました。しかしながら、岩手県大会での盛岡第三高等学校にもコメントしましたが、僕の考えるラヴェルの持ち味の一つに「魅力的なp→fへのプロセス」を挙げさせていただいたのですが(「クレッシェンドの美しさ」と言い換えても良いのですが)、そこをもうちょっとうまく聴かせて欲しかったです。というのは、”たっぷりとしたf”はわかるのですが、"エネルギーを抑制したpの美しさ”が僕にはよく伝わってこなかったんです。テクニカル的な面のレベルの高さの魅せ方はピカイチです。東関東大会ではランクアップしたダフニスとクロエを期待したいと思います。―代表
(余談ですが、真島編曲のダフニスとクロエといえば、2002年の創価グロリアがスゴいですよね)

7.習志野市立習志野高等学校(指揮・石津谷治法)

課題曲:Ⅱ マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介)
自由曲:バレエ組曲火の鳥」より(I.ストラヴィンスキー/R.アールズ

出ました、全国大会常連校、習志野高校です。吹奏楽に詳しくない方でも"美爆音"といわれれば、わかるのではないでしょうか(個人的にはこの表現は嫌いなのですが)。
課題曲の第一テーマから自然な歌い方で、耳にすんなり入り込んでくるカンジがして、他校とは一線を画しています。また、個人的に引っかかったのは、Iのホルンの旋律が僕の耳に明瞭に聞こえてきたのは前半で習志野高校だけでした。流石です。
自由曲は2010年にも取り上げた「火の鳥」です(本当にアールズ版なのでしょうか?)。カスチェイから始まりましたが、個人的にはカスチェイの金管群の表現はもっとシャープに来て欲しかったです(わかりにくい例えをすると、顔にパチパチ輪ゴム鉄砲が飛んでくるカンジ)。それから、子守歌、終曲と来ましたが、コンクールで子守歌を取り上げるのは、珍しいですネ。バスーンのソロ、上手でした。東関東大会では余裕のよっちゃん(死語…)の演奏で全国大会の切符を手にしていただきたいです。―代表・ヤマハ

8.県立国府台高等学校(指揮・須藤信也)

課題曲:Ⅱ マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介)
自由曲:交響曲第1番「グラール」より 第4楽章 ロンド-コーダ(天野正道

個人的な好みからすると、TpとSaxが一緒に吹くところはTpからSaxの音がはみ出ないようTp主体でいっていただきたいなと思います(たとえば、冒頭のドファソラシドーのところなど)。また、スラーやタイが途切れた音の発音や処理が粗くなる点が気になりました。
自由曲は、mf~ffでのところで映えるサウンドにマッチした選曲だな、という印象です。弱奏時の音のブレンドやテンポの緩い箇所での安定感が増すと、一段と感銘度が増すことと思います。昨年に引き続き、東関東大会でのご活躍を楽しみにしております。―代表

9.東海大学付属市原望洋高等学校(指揮・湯川千鶴子)

課題曲:Ⅱ マーチ「エイプリル・リーフ」(近藤悠介)
自由曲:交響詩「アルプスの詩」(F.チェザリーニ)

前半最後の学校です。50人以上の編成で出場される学校が多い中このバンドは29人という少人数で出場されている上、クラリネットがいないというアンバランスな編成です。
(2016年の聖徳大学付属女子中学校・高等学校を彷彿とさせます。こういうバンドをみるとめちゃくちゃ応援したくなります。と同時に、小編成だったり、編成がアンバランスだからといってA部門への出場を諦めるのは考えものだと思わされます)
課題曲については、非常にスッキリとしたサウンドで、バランスの崩れもなく非常に聴きやすかったです。ただ、もう少しホルンが出てきてもよかったかな(自由曲に向けてエネルギーを温存?)と思います。
自由曲では、ヒナ壇最上段をTp→Hrにチェンジして始まりました。これは流石です。課題曲から、Hrを最上段にしてしまうと、Hrの裏打ちが全面に出てきてしまうため、アルプスモノの自由曲でHrを目立たせるよう自由曲から最上段にしたのです。
自由曲からは、やはり(課題曲ではセーブ気味だった)ホルンが大活躍です。ソロも安定していました。嵐の場面では、若干金管を中心に、パワー(スタミナ?)不足を感じました。個人的には多少の音の荒さには目をつぶるので、パワーや鳴りを優先して欲しかったです。終曲ではアルプスの美しさがよく表現できていましたが、終わり方があっさりとしていたので、もう少し余韻を楽しめるように工夫が欲しかったですネ。
今年は惜しくも千葉県代表となることはできませんでしたが、来年も本選でお目(耳?)にかかりたいな、と思ったバンドの一つです。ありがとうございました。

 

 

以上、僕からの千葉県吹奏楽コンクール高等学校の部A部門本選大会のご報告です。

最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

次回以降もよろしくお願いいたします。

See you again!

岩手県大会2019はコチラ↓

hebo-chan.hatenablog.com

 

茨城県大会2019はコチラ↓

hebo-chan.hatenablog.com