ホウ砂に吹かれて

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関西の吹奏楽’99-2高等学校編CDレビュー

 

さて、早速ではありますが、某所で関西の吹奏楽’99-2高等学校編のCDを入手しましたので、レビューをさせていただきたいと思います。
(残念ながら、このCDは自由曲のみの収録になりますので、僕が書く感想のほうも自由曲のみになります。また、今回はCDの再生順に感想を書いていきます。一貫性がなくてすみません・・・)

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大阪府大阪府立淀川工業高等学校(指揮:丸谷明夫)

バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(ラヴェル/立田浩介編)

淀工お馴染みの「ダフクロ」でございます(何度演奏されたことでしょう)。総合的な完成度としては決して低くはないのですが、個人的にはあまりピンとこないというか…。会場で直接聞けばまた違うのでしょうか…。細かいテクニカルな部分も伸びしろがありますし、トゥッティのサウンドも改善の余地があるのではないかと感じる部分も散見されますし…。聴く側の先入観というか期待が大きすぎるのでしょうか。関西大会ですので、全国大会までの通過点に過ぎないということなのかもしれません。―金賞・代表

大阪府明浄学院高等学校(指揮:小野川昭博)

アルプス交響曲」より(R.シュトラウス/八田泰一編)

冒頭から突然陽が昇り(吹奏楽コンクールで取り上げる場合はそうなってしまう場合が多いのですが)、夜を待たずに曲を閉じる構成(カット)には様々な意見があったことと思います。しかしながら、演奏のラストの重厚さや音圧は堂々たるアルプスを見事に表現できており、これもアリかな、と思われされました。また、場面転換の見事さや色彩感では群を抜いていました。中低音セクションのサウンドの豊かさがしっかりとバンドを支えていました。―金賞・代表

「アルプス交響曲」より  日の出、エレジー、嵐の前の静けさ、雷雨と嵐・下山、夜

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京都府洛南高等学校(指揮:宮本輝紀

バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(ラヴェル/林紀人編)

まず、「夜明け」の美しさが素晴らしい。演奏の始まりでセーブされていたエネルギーが、クレッシェンドとともに解放されていくプロセスが非常に音楽的でした。「全員の踊り」への経過部分の妖艶さもよく捉えられていました。そして「全員の踊り」本番(?)では、テクニカルな面のスゴさもさることながら、音楽的な頂点が的確に捉えられ、また勢いに任せず(これがまた勢いに任せるバンドの多いこと…)、緩急をうまく付けられていたように感じました。CD音源ながら久々に秀逸な「ダフニスとクロエ」が聴けました。―金賞・代表

スコア ラヴェル/ダフニスとクロエ 第2組曲 (zen-on score)

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奈良県天理高等学校(指揮:新子菊雄)

交響曲第3番より 1,3,4楽章(J.バーンズ)

バーンズの3番は2004年に精華女子高が全国大会で演奏をしたのを皮切りに、現在まで吹奏楽コンクールにおいて人気のある曲ですが、天理高では一足早く99年に関西大会で取り上げていました。このバンドの特長はダイナミクス・レンジの広さにあるようで、弱奏部と強奏部の対比が非常に上手に描けていたように思います。全体的に金管群と木管群の音がもう少しうまくブレンドされれば、より高評価が得られたのではないかと少しもったいなく感じたのは、会場の響き方や録音のせいでしょうか。―金賞

兵庫県兵庫県立西宮高等学校(指揮:吉永陽一)

歌劇「さまよえるオランダ人」序曲(ワーグナー/同校吹奏楽部編)

総合的な印象として、堂々とした演奏でした。音楽の作り方としてもよい意味でオーソドックスさがあり、奇抜さに走っていない点が好感が持てます。各声部のバランスも明快で、主旋律が埋もれたり、全体の響きが混濁する場面がなく、非常に聴きやすい演奏でした。テクニカルな面も申し分ありません。―金賞

大阪府東海大学附属仰星高等学校(指揮:瀬川修平)

3つの交響的素描「海」より 風と海との対話(ドビュッシー/藤田玄播編)

全体的にオーボエをより目立たせたいところ。主旋律が重要なのは言うまでもありませんが、伴奏もそれと同じくらい重要で、場面ごとの雰囲気作りにもっと踏み込むことで音楽表現がもっと豊かになるのではないでしょうか。個人的にはホルンの健闘を称えたいところ。―金賞

3つの交響的素描「海」より III.風と海との対話

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大阪府/関西創価高等学校(指揮:伊藤昌)

バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より(プロコフィエフ/林紀人編)

非常に音色が美しいバンドでそれが演奏に活かされています。また、(一直線に進むパワーがあるとでもいいましょうか)推進力のある音楽表現が見事に曲の構成と合致しており、この点で成功していたように思います。さらにこの中に「遊び」のようなものが聴く側に伝わってくれば、もう一段階レベルアップした演奏となったように感じました。―金賞 

No.387 プロコフィエフ/ロメオとジュリエット 第1組曲・第2組曲・第3組曲 (Kleine Partitur)

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奈良県奈良市立一条高等学校(指揮:谷清貴)

交響詩「モンタニャールの詩」より(ヴァン=デル=ロースト)

この曲は2010年に東海大学付属高輪台高が全国大会で演奏し、金賞を受賞してから爆発的に人気が出た曲です。奈良市立一条高では一足も二足も99年の関西大会で早く取り上げていました。透明感のある、美しい音色を持ったバンドという感じを受けましたが、それに加えて、演奏自体も丁寧に演奏されている印象です。ただ、演奏自体が間延びしていると感じる部分もところどころ認められましたので、音楽的な演出にもう一工夫あれば、また違ったと思います。―金賞

 

 

以上、『関西の吹奏楽’99-2高等学校編CDレビュー』でした!

最後までお付き合いくださいました皆様、誠にありがとうございました。

それでは、また次回またお会いしましょう!

See you later alligator!

 

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