ホウ砂に吹かれて

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中野信子先生の『シャーデンフロイデ』を読んで(2)

 

 

早速ではありますが、今回は中野信子先生の

シャーデンフロイデ』という本に関する記事の続編になります。

今回は僕がこの本を読み進めていった中で、「初めて知った!」

思ったことについて、書いていきたいと思います。

 

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前回の記事はこちらです。
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hebo-chan.hatenablog.com

 

性交渉と愛情ホルモンについて

この本の中では“愛情ホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」に

ついてかなり触れられているのですが、女性の性交渉について

このようなことが書かれていました。

 子宮頸部が刺激されることでオキシトシンの分泌が促されるために、特に女性はセックスによって相手に対する愛着が深まってしまう傾向を持っています。 


 では、愛着が深まってしまうとどのようなことになるのかというと、

  • 懐疑的に人を見ることが少なくなる
  • 情緒的に人を信頼したり、攻撃したりする

ということが起こりやすくなります。

このような人間が利用されやすくなってしまうということは、

想像に難くありません。

「簡単に体を許してはいけない」というのは、こういった側面が

あるのでしょう。

 

 


性交渉によって愛着が深まってしまうことに関して、

この本の中ではこのように例示されています。

 風俗業の支配人男性が、働いている女性と性的関係を持つケースが多いのは、自分への愛着を形成させ、 女性が他店へ移ったりするリスクを回避するためと考えられます。

 同様に、ホストが女性客とセックスするのも、お小遣いが欲しいというより、オキシトシンの効果によって、女性に自分に対する愛着を形成させれば、客としてつなぎ止めておくことが楽にできるようになるからでしょう。女性は、単純にセックスのエクスタシーでつなぎ止められているのではなく、オキシトシンによってつなぎ止められているのです。いわばオキシトシン商法」と言っていいかもしれません。

僕は”夜の世界”について、ほとんど知識がありませんので、

「こういった世界があったのか・・・」とポカンとしてしまいました。

ここで例としてあげられていた、風俗業の支配人男性やホストが

このような“愛情ホルモン”についての知識があるとは考えにくいのですが、

そういった知識がなく「オキシトシン商法」を行っていることを考えると、

彼らの女性に対する本能的な嗅覚の鋭さに驚かずにはいられません。

スゴい・・・というよりも怖い。

 

 

保守かリベラルかを決めるもの

ここからガラッと話題が変わります。

人々の政治的信条を分類するときに、「保守かリベラルか」というように

2つに大別しようとする見方があります。このことについて、

個人の境遇や取り巻く状況、時代の潮流などによって分かれると

一般的には考えられています。

しかし最近ではそれだけではなく、生得的な傾向も要因としてある、

ということがわかってきています。

二大政党制でよく知られるアメリカ合衆国について紹介されている

箇所を引用します。

 ご存じのように、アメリカは二大政党制の国で、保守的な人たちに支持されている共和党と、リベラルな傾向が強い民主党政権交代を繰り返しています。そして、それぞれの支持者は、あまりその傾向を変えることはないとみなされているようです。

 二つのグループの遺伝子を調べてみると、共和党支持者(保守的な人)と民主党支持者(リベラルな人)では、その脳に違いがあることがわかってきました。

 脳には、DRP-2というドーパミン受容体がありますが、そのタイプによって、保守的な意思決定を快適に感じるか、リベラルな意思決定を快適に感じるかが決まってくるという研究報告があるのです。

 

個人の政治的信条に脳の違いが関わっているということは、

保守的な人間とリベラルな人間の意見がぶつかった場合、

論理で相手を説得するということが難しいということ

になってしまいます。

ということは、政治に関わる議論をしたところで、

(どちらかが折れるということはあっても、)

相手を納得させることはまず起こらず、

徒労に終わりやすいということを意味しているのでしょうか。

その点について、中野先生はこのように提言されています。

 ニューロポリティクスという、脳神経科学を用いた政治行動研究分野が注目を浴びています。

(略)

 しかし、もっと先を見据えてニューロポリティクスを活用できるなら、たとえば、ビッグデータを分析し、大多数がある程度、満足できるような政策を導き出すといった新しい民主主義の形もあり得るでしょう。そういった可能性を、人類は本気で検討する時代に入っているのではないでしょうか。 

「ニューロポリティクス」という言葉を初めて目にしましたが、

保守的な人間とリベラルな人間が対立しやすい昨今の状況を鑑みると、

大多数がある程度満足できる政策を導ける可能性があるということは

歓迎すべきことだと思います。

 

 

ここまで、中野信子先生の『シャーデンフロイデ』を読んで

初めて知ったことについて触れてきました。

「性交渉」と「政治的信条」という全く異なる2つのことに

ついて今回書きながら、

脳科学って本当に幅の広い学問だなぁ」

ということを強く感じました。

 

今回は以上です!

最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました!

それでは、またお会いしましょう!

アディオス!

 

 

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