保守雑誌感想文【2018年7月】
いつも大変お世話になっております。
はてなブログで「ホウ砂に吹かれて」をやっております、
ノロい人でございます。
今回のエントリの内容は、保守雑誌7月号の感想文になります。
今月号のテーマは“人間の花”ということで、書いていきたいと
思いますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。
「木の五衰」
安岡正篤師は木が弱り衰えていく段階を「木の五衰」と
表現しています。その段階とは、
- 懐の蒸れ:枝葉が茂りすぎ、日当たりも風通しも悪くなってくる
- 裾上がり:“懐の蒸れ”が続き、根が上がってくる
- 末枯れ:木が頭から枯れてくる
- 末止まり:梢が枯れ、成長が止まる
- 虫喰い:いろいろな害虫がつき始める
をいいます。人間も同様とのことです。
では、人間の花はどういう人に咲くのかというと、
心の雑草を取り去り、よく手入れし、調和させている人、
心の力をよく知る人のみが、人間の花を咲かせるのだそうです。
自分を振り返ってみると、「心の雑草」なんていわれても、
何が「心の雑草」に当たるのか、皆目見当もつきませんし、
「調和」といわれても、何と何が調和しているのか
よくわかっていないので、自分にはまだ“人間の花”は
咲いていないのだと思います。
他人の花を咲かせるには
500人を超える受刑者を雇用してきた、北洋建設社長の
小澤輝真氏は、人間の花を咲かせることについて、
このように語っています。
他人の花をどう咲かせるかではなく、まずは自分の花を大きく咲かせたい。自分の花を大きく咲かせることが、受刑者の雇用に繋がり、結果的に他人の花を咲かせることになるんだと思っています。
教育者や経営者の立場にあれば、「他人の花をどう咲かせるか」という
ことに考えが及びがちになってしまいやすいところですが、
小澤社長は 「自分の花を咲かせる」ことを優先されています。
それが一見遠回りに感じられても、結果として、
「他人の花を咲かせる」ための近道ということになるという
ことで、小澤社長の人生経験から生まれた重みのある話だと
いう風に僕は受け止めました。
道場六三郎氏と松岡修造氏の対談より
このお二方の対談の中で、“人を育てる叱り方のコツ”に
ついて語られているところがありました。
その中で僕が一番意外に思ったのは、松岡修造氏が
「僕は、根拠や理論に基づかない根性論が嫌い」と
語っている場面でした。
松岡修造氏は皆さんご存じのように、教え子に対して、
“熱さ”を求めるタイプの指導者なので(誤解だったら
ごめんなさい)、てっきり根性論に基づいた指導を
されていると思われがちなのですが 、そうではないようです。
叱るにも、松岡氏はルールを定めているといいます。
松岡 (略)僕はジュニアの指導をする際、七秒ルールというものを作っているんですよ。七秒間の中で叱る。それ以上長い間叱ると、子どもたちはその場を凌いでいる感覚になってしまっていて、もう聞いていない。
一方、道場六三郎氏は叱り方について次のように語っています。
道場 だから、僕は注意するときはいつも二~三秒なんですよ。これはこうだって悪い点を指摘して、もしわからなかったらなぜ叱られたのか聞きに来いと。
僕が感心したのは、叱られたことについてわからなかったら聞きに来て
良いという点です。普通、学校や職場でなぜ叱られたのかわからなかったら、
そのことについて聞きに行くということはなかなかないと思うんです。
なぜ叱られたのかわかっていないことをさらに叱られ、元々どういうことで
叱られたのかますますわからなくなっていくという悪循環にハマることが
想像に難くないからです。
しかし、道場氏はなぜ叱られたのかを聞きに来いと、それを許容している
のです。意外だ、と思ったのは僕だけでしょうか。
以上が2018年7月号保守雑誌の感想文でした。
最後までお付き合いくださいまして、
誠にありがとうございます。
それでは、また次回お目にかかるのを楽しみにしております。
アディオス!