ヒトは「いじめ」をやめられない、らしい。
平素より大変お世話になっております。
はてなブログで「ホウ砂に吹かれて」をやっております、
ノロい人でございます。
『ヒトは「いじめ」をやめられない』と言う本について
取り上げてみたいと思います。
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この本では、なぜいじめが起こるのか、ということについて
脳科学的な視点から書かれていました。
僕がこの本を読んで特になるほど、と思ったのは第二章なのですが、
この第二章では『いじめに関わる脳内物質』と言うことで、
三種類の脳内物質(=ホルモン)について紹介されています。
僕は個人的に、このホルモンたちの働きのことを勝手に
(適切な表現なのかはわかりませんが)
「いじめの三本柱」という風に呼んでいます。
ここからは、そのホルモンの働きについて紹介したいと思います
1本目の柱:“愛情ホルモン”について
この“愛情ホルモン”とは、「オキシトシン」という脳内物質のことです。
一見すると、“愛情ホルモン”と”いじめ”って関係なさそうなカンジがする
のですが、実はこの二つが密接に関わっているというのです。
“過ぎたるは猶及ばざるがごとし”“可愛さ余って憎さ百倍”・・・・・・。人間の心の不思議さを、この物質の働きに見るような思いがしますが、愛情や仲間意識の過剰が、逆に、人間関係を壊してしまうことにもつながっているのです。
という風に、“愛情ホルモン”について中野先生は説明されています。
ことわざを用いて脳内物質について説明してしまうあたり、中野先生って
上手だな、なんて思ってしまいました。
僕は昔から人の輪の中に入るのがどうしてもダメで、
「仲間(縄張り?)意識」が強い人たちって苦手だな・・・なんて
かねがね思っていたのですが、このオキシトシンの働きを知ることで
そういうことだったのか!という風に膝を打ちました。
2本目の柱:「裏切り者検出モジュール」
「裏切り者検出モジュール」とは何かというと、このように
本の中に書かれています。
集団の構成員として、(略)逸脱者を見つけ出そうとする、検知する脳の思考プロセスを「裏切り者検出モジュール」と呼んでいます。
世の中には「いじめられる側も悪い」と言うような主張をする人が
たまーにいますが、それっていじめる側の勝手な論理で
「いじめを正当化する理由」を見出しているだけなんですよネ。
この「いじめを正当化する理由」を見出す働きが
「裏切り者検出モジュール」なのです。
この「裏切り者検出モジュール」は、セロトニンおよび
セロトニントランスポーターが関わっており、日本人は
セロトニントランスポーターが少ない人が多く、そのためか
日本人は他国の人と比較してこの働きが強い傾向にあります。
「裏切り者検出モジュール」はいじめる人だけが持っているわけ
ではなく、直接いじめていない人やいじめを指導する立場の人も
持っているものなので、それが働けば「コイツはいじめられて当然」
という風になってしまい、なかなかいじめを止める方向には向かわない
ということがあるのです。
(皆さんにも身に覚えがあるのではないでしょうか?)
3本目の柱:制裁行動をとる「快感」
本来、他社に制裁を加えたり、攻撃をするということは仕返しされる
リスクがありますし、自分のやるべきことを中断しなければならないので、
決して合理的な行動ではありません。
それでも、制裁行動に出る(いじめを行う)理由は「快感」にあり、
そしてその快感というのもドーパミンという脳内物質の働きによる
ものなのです。
(なぜ快感を感じるのかということは本を買って読んでみてください)
その「快感」のわかりやすい例が、この本の中では「ネット炎上」として
紹介されています。
共同体のルールに従わないものを糾弾しようと、正義の側からバッシングしている人たちにとって、炎上させることである種の承認欲求や達成欲求が満たされるため、、快感そのものなのです。そして、炎上すればするほどドーパミンという脳内麻薬が活性化して、バッシングはさらに過激化します。
このように書かれているのを読むと、「炎上」「いじめ」に加担すると
いう行為は非常にみっともないことに感じられますネ。
気をつけたいものです。
ということで、ここまで脳内物質といじめの関係について触れてきましたが、
本のタイトルの通り、ヒトは「いじめ」をやめられないってこういう理由なんだな、
っていう風に思いました。
自分を含めた人間にこういった傾向があることを忘れずに、
「いじめる側」に回ることだけは無いようにしたいと思います。
今回はここまでになります。
長い駄文でしたが、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
それでは、また次回お会いしましょう!