借金玉様、『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を読んで
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はじめに
借金玉様の『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』
を読んだところ、なかなか興味深く読むことができ、あっという間に
一冊を読み終えてしまいました。
もともとこの本が出ることは、存じ上げており、僕自身発達障害者で
あることから”いつか”は読んでみようとは思っていました。
その”いつか”がどのタイミングで訪れたかというと、先日の出張帰りに
東京駅で電車の乗り換えを待つ間に入った本屋さんでこの本と出会いました。
そこでこの本を見つけた瞬間、この本を買うのは(林修先生ばりに)
「今でしょ!」と欲しくなり購入し、内容に期待しながら、帰りの
電車内で読み始めたのです。
内容は期待を裏切らず、「あぁ、そうだよねぇ」となるところもあり、
ライフハック的なところでは「へぇ~」などと感心したりして、
一気に読み通せてしまいました。
発達障害者やその疑いがある人だけでなく、いろんな人に読んで
もらいたい一冊です。
借金玉様とは
ここで借金玉様の紹介をさせていただくと、借金玉様はADHDの
診断を受けている営業マンなのだそうです。
(面識がないので「だそうです」という表現を使いました)
これだけの紹介だと、どこにでもいる発達障害者の会社員なの
ですが、それだけではなく、ツイッターやブログをはじめとして、
様々なインターネットメディアで活躍されており、さらに起業の
経験もあるということで、同じ発達障害者でも僕なんかとは
比べ物にならないくらいスゴい方なんです。
もう雲の上のお方ってカンジです。
ちなみに、借金玉様のツイッターを覗いたところ、
コンサータ72mgを処方されているとのことで、
同じ”コンサータ72mg男”として親近感が少しだけ湧きました。
(失礼いたしました)
借金玉様のブログです↓
前半部分を読んで
この本の前半部分はどちらかというと、ハウツー的な内容が
多かったという印象です。
特に重要なのが、道具の活用に関するハックとして、
- 集約化(ぶっこみ)
- 一覧性
- 一手アクセス
という概念が紹介されていました。
この概念を応用することにより、仕事や生活のクオリティを
向上させられるとのことで、具体的な方法も紹介されていました。
例えば、鞄やバインダー、手帳を活用するとか、
白紙にアイディアを書き出すとか…
なんか、この部分だけ読むと勝間和代さんの本みたいだな、って
カンジなんですけど、カツマー、もとい借金ダマーみたいな人たちが
現れて、借金玉様推薦の鞄とかが売り切れる現象が起こったら、
面白そうだな~なんてしょーもないことを考えたりしてしまいました。
もっと言えば、カツマーがレッツノートを買って自転車に乗って歩いた
ところで勝間和代さんにはなれないのと同様に、発達障害者が借金玉様
推薦の鞄を買って、バインダーを複数使ったところで、借金玉様には
なれないよな~、そこんとこ大丈夫なのかな~という感想も抱きました。
ただ、その点は最後の精神科医の熊代亨氏の解説でこのようにフォロー
されていました。
- この本のアイディアは発達障害の程度によっては実践困難だったり、トライする際の負担が大きいものもあるだろう
- 重い発達障害者にこの本を手渡して、「こういう風にやるべきだ」と強制することはあってはならない
- この本で助けられた、うまくいったという人も発達障害のスペクトラムのあらゆる人に適用可能ではないということを覚えておくべき
ということで、これからこの本を読んでみたい、と思っている人は
このことを頭の片隅に置きながら読んでいってほしいと思います。
後半部分を読んで
一方、この本の後半部分は、薬との付き合い方や、二次障害・うつの
対処法といった精神医療的なことに焦点が当てられています。
その中で、借金玉様のこの言葉が強く印象に残りました。
努力なんてものは、やりたいときにやるべき環境が整っていたらやればいいことです。
先ほど、前半部は勝間和代さんの本みたいだと申しましたが、
後半は一転してこの言葉をはじめ、今度は香山リカ先生みたいなカンジに
なっています。
まるで一冊の本に勝間さんと香山先生が一緒にいるようです。
個人的にドキッとしたのは、うつ状態の入り口は、”気が付けば休日に
やるべきことが何一つできなくなる”と書いてあったところでした。
何でドキッとしたかというと、僕に当てはまっていたからです。
さらにダメ押しで、こんなことも書かれていました。
僕の経験上ですが、 うつ状態に突入していく人は大体判で押したように「仕事はできている」といいます。実際できているのでしょう。会社にいる間は緊張感で身体が動くというのは、ある話だと思います。
これも僕に当てはまっています。
僕がメンタル病院に行くたびに、それこそハンで押したように
「仕事はできている」と言っているからです。
さらにこの本を読み進めていくと、借金玉様のそれは辛い辛い
うつの経験談が書かれており、自分自身その状態に至らないよう
気をつけなきゃいけない、ということで、どこか身の引き締まる
ような思いになりました。
さいごに
この本には、発達障害者のためのライフハック的な側面がもちろん
あるんですけれども、それだけではなく、借金玉様の人生(のごくごく
一部ではあるのでしょうが)に触れられるという側面もあったりします。
自分の人生をすごく正直にこの本にぶつけられたんだな、というのが僕の
抱いた感想です。
ぜひ、今このエントリを読んでくださっている皆様にも読んでいただきたい
と思います。
今回はここまでになります。
長いエントリでしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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