保守雑誌感想文【2020年5月】
先達に学ぶ(特集より)
「先達」とは先に道に達し、導きをする人のことです。
この保守雑誌の編集者は多くのよき先達に恵まれたといいますが、特に四人の師(安岡正篤、森信三、平沢興、坂村真民)に格別に大きな恩恵をもらったといいます。
そして、この四人の先達の共通項として、二つのものがあったのだそうです。
- 一つは生涯を懸け自らを成長させようとする情熱の人であった。
- 二つは生涯、縁ある人の心に火をつけ、光を灯そうとされていた。
今現在、僕の身の回りには(幸か不幸か)ここまでの人物はいません。
ただ、これに当てはまらなくても、自分が人間的に成長するきっかけとなる人物はどこにでもいると思うので「我以外、皆我が師なり」の気持ちで生活していくことが必要なのかもしれません。
戦国武将に学ぶリーダーシップ
國學院大學名誉教授、豊島岡女子学園学園長 二木謙一氏の記事より。
日本中世史が専門の二木氏が豊島岡女子学園の校長に就任した際に参考にしたのは、徳川家康や武田信玄の"人づくり"や人材登用術だったといいます。
校長に就任した2003年からの様々な改革の効果で、マンネリに陥りやすい教育現場を活性化させ、教員が生き生きと輝きだしたとのことです。また、目に見える実績としては東京大学の合格者が約四倍になったとのことです。
僕が歴史を本当の意味で"知っている"というのはこういうことなのだな、と思ったのは二木氏のこの言葉です。
歴史とは過去を通して現在を考えるものであり、そしてこれから先の未来を予測するためにあるものだと思います。単なる暗記科目として捉えてしまってはもったいない。歴史を通じて、これからの未来を考えていける人物が多く出てくることを切に願います。
そして、二木氏のはこういうピリッとしたこともおっしゃっています。
昨今の日本は、賄賂や忖度、不正、改竄と徳のないむさき心底な行いが蔓延っており、嘆かわしい限りです。戦国時代と現代とでは価値観が異なる点があるとは思いますが、人が生きる上での本質は変わりません。それを学び、実生活の中で活かすことが歴史を紐解く意義だというのが私の考えです。
「嘆かわしい」としている対象は明示されていませんが、こういったことを保守雑誌に掲載してもいいのでしょうか(いいのです)。
歴史や伝記をしっかり読み込んできた人間は本当に人生に強いな、と思わされた記事でした。
目の前に来た球を無我夢中で打ち続ける
「二十代をどう生きるか」という連載。
人とホスピタリティ研究所代表、高野登氏の記事より。
この記事の中で高野氏は結構二十代だからこそ出来ることを指摘されていますので、僕がまとめてみました!
- 「これが自分の売りだ」というものを身につけることが、時間に余裕のある二十代には大切
- 徹夜が出来るのも体力のある二十代のうちだけ
- 二十代であれば、十人、二十人の(料理の)オーダーは努力次第で確実に覚えられます
- 二十代を過ごす若者たちに伝えたいのは「四の五の言わず来た球は打とう」ということ。まだ頭で稼げない若い時は体力で稼ぐしかありません。
- 二十代の後半には選球眼をも身につけることができていたら、一皮むけて「最近いい仕事するね」と声をかけてもらえます。
- 二十代はとにかく、自分の能力を信じて、歯を食いしばって目の前の仕事にしがみつくことです。
ひえ~大変そう。
頑張れ!二十代!(三十代より)
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