ホウ砂に吹かれて

コンサータ72mg男が書きたいことを書きたいときに書くブログ

哲学の本を読んでみました

今週のお題「読書の秋」

 

いちばんわかりやすい哲学 ([バラエティ])

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今回は、このエイ出版社『いちばんわかりやすい哲学』を少し読んでみましたので、この本の内容に少しだけコメントしてみたいと思います。

この本のことを少しだけ紹介しますと、内容としては大まかに3つに分かれています。まずは代表的な哲学者の紹介、次に世俗的な悩み・疑問に哲学者の考えを用いて答えを与える部分、あとは哲学カフェ座談会やちょっとした哲学用語辞典です。

学校で習う公民(倫理)をやさしくしたような印象を受けました。

 

それでは早速ではありますが、内容に触れていきたいと思います。

まずは、ルソーについて紹介したこの部分。

 (略)そこで、ルソーは人間が本来持っている、善意に根ざした社会への回帰を訴えました。批判精神もなく、闇雲に文明社会を発展させていくことは、人間の精神の堕落へとつながると断じました。「自然に帰れ」という彼の言葉は、このようなルソーの立場をもっともよく表していると言えるでしょう。

う~ん、という感じです。

というのも、ルソーの「自然に帰れ」っていう言葉は結構有名なんですけれども、僕が大学で受けた『人間不平等起源論』を読む講義では、実はルソーは「自然に帰れ」なんて一言も言っていないし、ルソーの本のどこにも書いてないって教授から教わった記憶があるんです。

まぁ、この本の内容としては、学校で習う公民よりもやさしいのでそこまでの厳密さを求めることもないのかもしれませんけどネ…

 

 

次は、労働に関する質問についてです。

Q質問 労働せずに投資で儲けてはいけないのでしょうか?

A回答 人は賃金を得るためだけに働くのではなく、他人の役に立ち、承認を得るために働くので労働は必要です。

【引用する哲学】ヘーゲルの「労働承認論」 

 Q質問 どうして働かなければならないのでしょうか?

 A回答 秩序の保たれた社会では、労働こそが所有の根拠になるからです。

【引用する哲学】ジョン・ロックの「統治二論」

う~ん、労働はしなくても良いとか、労働は生活のために仕方なくするものだという回答は出てこないんですね。残念。労働が不得意な僕としては心細い限りです。

ここからは真面目な話をすると、労働に価値を置く考え方というのは、ルターの時代のキリスト教の教えにタンを発しているようで、人類に元々備わっていた考え方ではないようなんです。

このことから考えるに、ヘーゲルといい、ロックといい、ヨーロッパの哲学者はキリスト教の影響を多かれ少なかれ受けていたのかもしれません。僕は勉強不足なのでそこら辺の関係性は知りませんが。

 

 

最後に、会社組織に関するこの質問について取り上げます。

Q質問 どうして会社には上司が必要なのでしょうか?

A回答 上司という権力が存在しないと、社員同士が弱肉強食の争いをはじめてしまうからです。

【引用する哲学】トマス・ホッブズの「万人の闘争」 

ホッブズの「万人の闘争」って国家の話だったと思うんですけど、この本ではこれを会社組織に当てはめて説明しているんです。

確かに説明しようとしていることは分かるんですけど、「国家」=「会社組織」として、これを本当にホッブズの哲学で説明して良いんでしょうか?疑わしくないですか?(ちゃんと疑ってかかってるあたり、なんかデカルトっぽくないですか?)

「国家」=「会社組織」として説明してもよいという”正当化”が必要なのではないでしょうか?

まぁ、(二度目になるんですけど、)学校の公民の教科書よりもやさしい内容の本にこんな難癖付けてもしょうがないんですけどネ…

 

 

今回のエントリはここまでです。

最後までお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。

また次回もお会いいたしましょう!

See you again!