和田秀樹氏『感情バカ』を読んで(2)
早速ではありますが、今回は和田秀樹氏の
『感情バカ』について、以前このブログで
取り上げた続きを書いていこうと思います。
どうか、最後までお付き合いくださいませ。
第一弾はこちら↓
第三章の感情バカになりやすい人を読んで
前回は第一章を中心として、個人的に勉強になったな、と思ったことを
まとめたのですが、今回の記事では第三章の内容について取り上げて
いきたいと思います。
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振り込め詐欺の特徴
この本で和田氏は振り込め詐欺の特徴について指摘している
箇所がありました。
振り込め詐欺だろうが、そのほかの詐欺だろうが、詐欺は詐欺で
一緒なんじゃないの?って思う方もいるかもしれません。
実はそうではなく、結婚詐欺や取り込み詐欺のような時間をかけて、
信用を作り上げる従来の詐欺とは異なり、振り込め詐欺は切迫した
状況を設定するという点で特徴的だということなのです。
「不安」+「時間的余裕を奪う」という状況を作り出すことで、
相手を感情的にさせるという手段を取るのです。
そうすると、やはり「即日詐欺」という呼び方のほうが「振り込め詐欺」よりも適しているように思うわけです。
と和田氏が書くように、「時間的余裕を奪う」ことがこの詐欺の
ミソなわけですから、確かに「即日詐欺」はスゴくわかりやすい
ネーミングだと思いました。
「即日詐欺」という呼び方が浸透すれば、被害に遭ってしまう人も
少しは減るような気がするのですが…
警察のエラい方、いかがでしょうか?
「属人思考」について
感情的判断として紹介されているものの一つに、
「属人思考」というものがあるとこの本では紹介されています。
属人思考というのは社会心理学の用語で、「何を言っているか」でなく、「誰が言っているか」で、その考え方が間違っているか正しいかを判断するというものです。
たとえば、「Aさんのやっていることは何でも悪い」「Aさんの言うことは何でも間違っている」とか、あるいは逆に「Aさんの言っていることだから何でも正しい」というように、判断基準が「人」に属しているので、「属人思考」と言われるわけです。
例えば、泥棒が「窃盗はいけないことだ」と言ったします。
普通であれば、「おまえが言うな」とか「説得力がない」という
感想を抱くところですが、だからといって、「窃盗はいけないことだ」
という発言が誤りということにはなりません。
「発言の真偽」と「説得力の有無」を区別して考えられないことが、
属人思考なのだと思います。
さらに突き詰めると、泥棒が「窃盗はいけないことだ」と言うのは
本当に説得力がない発言なのでしょうか?
よく本に書いている例なんですけど、アメリカの少年院には
重罪犯が「俺のような人間になってはいけない」というような
内容の説教をするプログラムがあるらしいんです。
そのプログラムでは、殺人犯が「殺人なんてしてはいけない」
と言うんでしょうけど、むしろ一般人が言うよりも殺人犯が
言った方が説得力がある感じがしませんか?
話が少しずれてしまいましたが、要は属人思考はよくないっていう
話なんです。
ただ、いくら属人思考がいけないからといって、大して立派でもない
人間がいくら口先で正しいことを言ったとしても、かえって人格を
疑われるようなことにもなりかねません。
私のような人間は気をつけたいところです。
「あいまいさ耐性」が低い人が陥る感情的思考
「あいまいさ耐性」というのは、白と黒の間にあるグレーな部分を
どれだけ認められるかということなんですけど、これが認められない
人が陥る感情的思考というのが「二分割思考」と言われるものです。
この「二分割思考」というのは、本の中ではこのように説明されています。
二分割思考というのは、味方でなければ敵、正義でなければ悪というように、二分割する、物事を白か黒化にはっきりと分けるような極端な考え方です。
あとは、「あいまいさ耐性」って言葉を初めて目にしたんですけど、
“耐性”という表現を使うと言うことは、”あいまいさ”って人間にとっても
負荷がかかるものなんだな、ということも勉強になりました。
このことに関連して、「認知的成熟度」という言葉もあります。あいまいさにどれだけ耐えられるかの指標になるものです。
(略)
このように、量の概念がわかったり、場合分けができたり、白と黒以外にグレーがあることが理解できたりということは、認知の成熟度が高くなったことを意味しています。
ここまで、第三章の感情バカになりやすい人の内容について、
取り上げてきましたが、このほかにも感情的判断や不適応思考に
ついての内容が充実していました。
僕自身読みながら、「こういう感情的な判断しちゃってるよな~」とか、
「この不適応思考、自分によく当てはまるよな~」という発見が結構
多かったように思います。
やっぱり自分は“感情バカ”だったんだな、って。
では、今回のエントリはここまでになります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
またお目にかかりましょうネ!
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