ホウ砂に吹かれて

コンサータ72mg男が書きたいことを書きたいときに書くブログ

東京都吹奏楽コンクール1999大学の部CDレビュー

 

さて、早速ではございますが、某所で1999年の東京都吹奏楽コンクール大学の部のCDを入手しましたので、レビューをさせていただきたいと思います。
(なんか、全体的に音質が今ひとつな録音だったんですけどネ…)

 

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1.青山学院大学学友会吹奏楽部(指揮・斎藤行)

課題曲:Ⅳ 行進曲「K点を越えて」(高橋伸哉)
自由曲:組曲ハムレット」より(ショスタコーヴィチ/斎藤行編)

朝一番(9:00~)の演奏だったようですが、それを感じさせない勢いと響きのある演奏です。特に課題曲の行進曲にあっては、金管セクションの歯切れのよい発音と明るい音色が印象的です。低音群のラインも非常にしっかりしていました。

自由曲はスケールの大きな演奏で、ショスタコーヴィチに相応しい演奏内容だったように思います。激しさ、熱さといった表現が特に優れており、聴衆に訴える力を十分に感じ取ることができました。表情豊かな熱さはこのバンドの持ち味といえるのではないでしょうか。—銅賞

 

2.駒澤大学吹奏楽部(指揮・上埜孝)

課題曲:Ⅲ 行進曲「エンブレムズ」(正門研一)
自由曲: コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ(P.ウィリアムズ/ネスティコ編)

課題曲は、行進曲の心得をおさえた、というようなマーチで突飛な表現は一切用いずに、オーソドックスなスタイルで演奏されている、という印象です。十分な推進力のある表現に、聴いていて気分が高揚する感覚さえおぼえたほどです。

自由曲は吹奏楽におけるジャズの定番曲を格好良く決めていました。僕自身、ジャズはそんなに好きでもなく、詳しくもないのですが、それでも各セクションのレベルの高さや、ジャズの型?を的確に捉えているのがわかりました。―銀賞

 

3.中央大学学友会文化連盟音楽研究会吹奏楽部(指揮・林紀人)

課題曲:Ⅳ 行進曲「K点を越えて」(高橋伸哉)
自由曲:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り(ラヴェル/林紀人編)

若干前のめり気味ですが、ノリのよい課題曲。崩壊せずに最後まで通しきったのは指揮者の手腕によるところでしょうか。技術的にも全く乱れがなく、脱帽。

自由曲は吹奏楽コンクールにおいて非常に人気があり、多々演奏されてきた曲ではありますが、その中にあっても、的確なアナリーゼ(楽曲分析)と表現力で、この曲の持つ魅力が最大限に引き出されていたように感じます。全国大会までに各声部間のバランスやテクニカルな部分などの課題もあったでしょうが、それらを補ってあまりある素晴らしい演奏だったように思います。―金賞・代表

 

4.立正大学吹奏楽部(指揮・鈴木太志)

課題曲:Ⅲ 行進曲「エンブレムズ」(正門研一)
自由曲:交響詩「ローマの祭り」より Ⅰ.チルチェンセス、Ⅳ.主顕祭(レスピーギ/佐藤正人編)

このバンドの課題曲の特長として、勢いのあるマーチで、スケールの大きい音楽作りが挙げられると思います。おのおののメロディーの果たす役割もはっきりとわかりやすく、この曲の意図するところがよく表現できていたのではないでしょうか。

自由曲は演奏に華やかさが感じられるのかとても良かったと思います。中でも、トランペット・セクションが伸びやかに吹いている情景(様子)が浮かぶようで、この点が演奏を魅力的にしていたと思います。演奏の全体的な印象としてはおおらかで、若さのある勢いとノリの良さが「祭り」という主題に見事にマッチングしていました。―銅賞

 

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5.亜細亜大学吹奏楽団(指揮・小倉啓介)

課題曲:Ⅳ 行進曲「K点を越えて」(高橋伸哉)
自由曲:バレエ音楽くるみ割り人形」より 情景、冬の松林、終曲、アポテオーズ(チャイコフスキー/小倉啓介編)

特に課題曲がマーチだと、(下位の大会になればなるほど)概してメロディーの処理の仕方が雑になるのですが、この演奏はその点丁寧に歌っているのが印象的でした。ドライブ感あふれる一方で、音楽の流れが非常に自然でした。指揮者が適切に音楽をリードしていることがうかがえます。

自由曲は課題曲以上に、息の長いフレーズをたっぷりと丁寧に良く歌っているのが印象的でした。トゥッティのサウンドも広がりがあり、なおかつバランスが良く、このバンドの持つ洗練された美しいサウンドが余すところなく発揮されていたように感じます。―金賞・代表

 

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6.創価大学吹奏楽部(指揮・佐川聖二)

課題曲:Ⅰ マーチ・グリーン・フォレスト(内藤淳一)
自由曲:「スペイン奇想曲」より Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ,Ⅴ(R=コルサコフ/瀬尾宗利編)

少々アップテンポの課題曲で、推進力があります。音楽の方向性が常に前向きで、フレーズや旋律が若々しく感じられます(演奏者の自発性によるものでしょうか)。一言で表すならば、華のある演奏。勢いの良さが始終心地よかったです。

自由曲も熱量の高さが感じられました。このバンドの特長は音楽から熱量を見い出し、その熱量をそのまま表現できるところにあるのではないのでしょうか。2楽章のホルンは良く吹ききりました。素晴らしかったです。ラストの盛り上がりはご愛敬。個人的に満足のいくスペイン奇想曲でした。―銀賞

 

 

今回のエントリは以上になります。

吹奏楽コンクール厨房の方も、そうでない方も、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それでは、またお会いしましょう!

 

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