ホウ砂に吹かれて

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SURTECH2019(とその併催展示会)に行ってきたョ!

 

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早速ではございますが、去る平成31年2月1日にSURTECH2019表面技術要素展(とその併催展示会)に行ってきましたので、今回のエントリではそのことについて、触れていきたいと思います。

今回もどうか最後までお付き合いいただけましたら、嬉しい限りです。

 

出展について

日本パーカライジンググループ

日本パーカライジンググループさんはSURTECH2019と新機能性材料展2019の両方に出展されていました。

日本パーカライジンググループ~SURTECH2019
  • アルミ―樹脂接合強化処理
    表面積増大・アンカー効果により接合強度向上が可能、展伸材・ダイカスト材で高い引張せん断強度が得られる、nm~数十μm領域の粗面化が可能、粗面化+化成処理により、耐久性向上が可能、という特長があるとのこと。
  • 自己析出型コーティングPALMIC
    狭い隙間・エッジ部分の付き回り性が良好、化学反応する部分にのみ選択的にコーティング、電気エネルギーをしない水系薬剤、ということで、精密モータ、電子・電機精密部品の鉄素材部分の絶縁に推奨される用途のコーティングとのこと。
日本パーカライジング~新機能性材料展2019
  • 防錆ワックス RUSTOP
    愛車をさびから守る防錆ワックスということで、特長として、車体に塗るだけで、簡単に防錆可能、他者と比較しても圧倒的な防錆性能、すでにさびている箇所もさびの進行を防ぐとのこと。
  • 防錆梱包材 PIPAK
    フィルム上の防錆梱包材で、防錆メカニズムとしては、フィルムに含まれる防錆成分が気化して、防錆成分がさびの要因に溶け込み、部品をさびから守るというものでした。気化性防錆成分によりさびの要因をシャットアウトする点と梱包が簡単で、様々な形状・サイズに対応している点が特徴的でした。

信越化学工業株式会社~nanotech2019

信越化学工業株式会社さんは言わずと知れたケイ素化合物のリーディングカンパニーさんですネ。新製品についていくつか紹介されていました。

  • シリコーン樹脂材料
    こちらは凝集していないシリカ球状微粒子の分散液になります。UV硬化性に優れ、耐摩耗性に優れた効果被膜を形成するとのこと。
  • シランカップリング剤
    こちらは数点紹介されており、共通する点としては様々な樹脂の相溶性、密着性向上が期待されるという点です。シランカップリング剤の官能基によって、発揮される性能がそれぞれあることから、従来のシランカップリング剤で解決できなかった課題もこれら新製品の効果で解決できる…かもしれません。

ユケン工業株式会社~SURTECH2019

  • メタスMDS
    こちらは各種金属素材の絶縁防食コーティングということで、軽量化素材(アルミニウム、CFRP)対応、絶縁性被膜による電食防止、表面調整や化成処理と言った工程短縮が特長となっているとのこと。浸漬、スプレーやハケ塗りといった各種コーティング方法が可能。
  • メタスYFA-CFH
    説明してくださった技術者の方によると、コバルトフリー化成処理剤ということで、元素としてのコバルトが使いにくくなる趨勢に先回りして対応して開発した技術とのことでした。コバルトフリーにもかかわらず安定した高耐食を実現というのは、流石の技術力と言わざるを得ません。

横浜油脂工業株式会社~新機能性材料展2019

  • “表面機能化処理剤”HDM-1
    こちらの薬液は常温で浸漬処理するだけで、金属の濡れ性を大幅に向上することが出来るだけでなく、洗浄も同時に完了させることが出来るものになります。適用対象としては、銅、アルミ、鉄、ニッケル、ステンレス、各種めっきなど様々な金属面に利用可能とのことでした。濡れ性向上により得られる利点としては、すなわち表面接触角を下げることで、樹脂・コート剤・めっきの密着性やエッチングなどを含む均一性を改善させることが期待できるということで、水系の簡単な処理でこういったことが達成できるというのは、非常に便利なのではないでしょうか。

 

平成30年度(第29回)表団協セミナーについて

自動車部品における表面処理技術の動向と課題 株式会社デンソー 菅原博好氏

トライボロジーやDLCなどに関する内容の講演でした。
前半部分では軽油中の各種コーティングの耐摩耗性(軽油中の耐摩耗性は硬さだけでは整理しきれない)や耐摩耗メカニズム(軽油成分とCrNのトライボ反応による凝着抑制)などのデータについて説明されました。
また、後半では尿素水によるDLC剥離メカニズムから(基材―DLC間の)中間層材料の選定、中間層の解析→中間層の改良といった貴重な開発研究の話を聞くことが出来ました。

自動車塗装工程のが異様とその課題への対応 トヨタ自動車株式会社 柴田浩行氏

こちらの講演では、普段なかなか知ることの出来ない自動車ボディの塗装について知ることが出来ました。その中で、いかに工程を短くするか、省エネルギーを達成するか、というお話が中心でした。例えば、塗装を自動化するだけでなく、いかにロボットを動かさずに塗装するかやロボットを減らして塗装するかということがダイレクトに工程の長さに関わってくるというのです。
そういった様々な積み重ねの結果、設備容積としては従来比40%削減、二酸化炭素排出量としては32%削減することが出来たとのことです。

 

 

以上、お伝えしきれなかった点もありましたが、実際行ってみて勉強になる点が多々あった展示会&セミナーでした。

今回はここまでとさせていただきます。

次回またお会いしましょう!

See you again!