簡単には反省できないって話
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この本の内容としてはタイトルの通り、“悪いこと”や“間違ったこと”をした人に対して、「反省」させようとしてはいけないというものになっています。
では、そもそも反省っていうのはどういうことなのでしょうか。辞書的にはこのような意味になるのだそうです。
はん‐せい【反省】の意味
出典:
[名](スル)
1 自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること。「常に反省を怠らない」「一日の行動を反省してみる」
2 自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。「反省の色が見られない」「誤ちを素直に反省する」
“悪いこと”や“間違ったこと”をした人がするべき反省は、通常 2 の方の意味で捉えられると思います。
ここで引っかかるのは、反省って僕は感情だと思っているのですが、感情って外から動かせるものではありません。例えば、“悪いこと”や“間違ったこと”をした人に対して、「ごめんなさい」を言わせて、頭を下げさせることはできたとしても、「あぁ、自分はなんて相手に対して酷いことをしてしまったんだ…」と思わせることはできません。
何かことが起こったときに、すぐに「反省」を求める人は、このことが分かっていないと思うんです。
勘の良い方はお気づきかもしれませんが、ここまで僕は反省という言葉について、カギ括弧を付けたり付けなかったりしています。
これは、
- カギ括弧つき「反省」:謝罪の言葉を述べる、頭を下げる、反省文を書く、などといった行動面での反省
- カギ括弧なし 反省 :辞書的な意味の反省、または「相手に謝りたい」というような感情面での反省
というように使い分けたかったからです。
話が少し脱線してしまいましたが、何かが起こったとき、「反省」を求められた人はどのような感情でいるのでしょうか。皆さんにも身に覚えがある一方で、腹立たしさも感じるかもしれませんが、「自分は悪くない、相手が悪い」「何で自分が謝らなきゃいけないんだ」と思っていることが往々にしてあるのではないでしょうか。そこまでいかなくても、反省の感情よりも後悔の感情の方が大きいのではないでしょうか。
僕自身の話をさせてもらうと、もめ事で自分に非があると思っていないことで「反省」させられた経験があるのですが、正直なところ感情面の反省には至っておりませんし、むしろ相手や「反省」を強要してきた側の人間に対して、根に持つ感情さえ持っています。
このような形で「反省」させられ続けた人間は犯罪者になってしまうということで、この本の中では様々な事例が取り上げられており、「そりゃ、犯罪者になるのもおかしくないわ」というのが、僕がこの本を読んでの抱いた感想です。
では、「反省」させることが悪いのだとしたら、どうすればいいのでしょうか。感情面での反省に至るには、まず何よりも先に(被害者のことを考えるよりも先に)、自分がしたことに対する後悔の感情や自分の気持ちに向き合うことは避けては通れません。この段階を乗り越えないと心からの反省なんてあり得ないんです。
というわけで、この『反省させると犯罪者になります』という本は「反省」させられた経験のある人ならば、読んで何かしら思ったり考えたりすることがある本だと思います。皆様にも是非手に取っていただきたい本です。
今回のエントリはここまでになります!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
またお目にかかるのを楽しみにしております。
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