ホウ砂に吹かれて

コンサータ72mg男が書きたいことを書きたいときに書くブログ

読了した本の紹介【2018年9月】

 

いつも大変お世話になり、ありがとうございます。はてなブログで「ホウ砂に吹かれて」をやっている、ノロい人でございます。

今回のエントリでは、ここ最近で読みました本を3冊ほどご紹介させていただきたいと思います。どうか、最後までお付き合いくださいませませ。

 

川上徹也『物を売るバカ 売れない時代の新しい商品の売り方』

物を売るバカ売れない時代の新しい商品の売り方 (ワンテーマ21)

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いきなり”バカ”なんて言われて、面食らってしまうような、そんな挑発的なタイトルではありますが、中身はいたって健全な本です。企業やお店(小売店とか)が「商品」を売ろうとするときに、「商品」そのものを売るのは難しくなってきているので、「商品以外の何か」を売りましょうという話です。じゃあ、「商品以外の何か」っていうのはどんなものがあるの?っていう話になるんですけれども、例えば、売る側が見落としてしまっている、灯台もと暗し的”な商品の特長であったり、商品を売るまでの物語だったり、様々あるんです。でも、そういう売り方をするにあたって、商品の品質が一定以上高くないといけないんですよネ。商売の世界は厳しい。

それと、この本の本筋とは少々離れてしまいますが、「商品以外の何か」で売るという手法は万能ではないということも、ちゃんと書いてくれています。以下の3つがそれにあたります。

  1. 理性に訴えた方が効果は高い場合もある
  2. 「物語」は食わず嫌いされる可能性もある
  3. 大きなマイナスになる場合もある

この本に関しては、タイトルの通り、“物”を売っている人に特に読んで欲しい本になります。営業で“物”を売っている方、店舗で“物”を売っている方必読の一冊だと思います。

 

勝間和代『人生確率論のススメ ~運でなく、確率を支配しよう~』

人生確率論のススメ (扶桑社新書)

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僕含め、勝間さん以外の人は自分の身に降りかかってきた出来事について、「運が良かった」とか、「ツイてないなぁ」なんて日常生活の中で言ってしまっていると思います。しかし、勝間さんから言わせると、「“運”と呼ぶのはやめて、これからは”特定条件の下での確率のばらつき”と考えるようにしましょう」いうことになるのです。確率や統計を少しでもカジったことのある人であれば、”ばらつき(偶然誤差)”と”かたより(系統誤差)”という言葉を耳にしたことがあるかと思うのですが、この”かたより”を少しでも上の方へ持って行くようにしましょうというのが、この本の趣旨になります。(勝間さん、”誤読”だったらごめんなさい)

勝間さんは何でも確率(数字)で考える人ですから、例えば、飲酒という行為にも確率の考え方を適用されているんです。

「運が悪い」からアルコール依存症になるのではなく、「高い確率でアルコール依存症になるくじ」を引くという行動の結果、なったのです。

僕のように数字に弱い人にとっては、簡単にできる考え方ではないと思いますが、自分が何らかの行為に及ぶときは、自分がどんなくじを引いているのかということは常に意識したいところであります。先ほどの例にある「飲酒」=「2割の確率でアルコール依存症になるくじを引く」といったように。それでも、喉が渇いた時のキンキンに冷えたビールはやめられないんだろうナ。おっと、イケない、イケない。

あと、僕が面白いと思ったのは、ベイズ推定やモンティ・ホール問題を取り上げていたところです。数字に弱い僕のような人のために勝間さんはわかりやすく書いてくださっています。

確率・統計が好きな人はもちろん、僕のように数字に弱い人でもすんなりと読める本だと思います。

 

香山リカ『弱者はもう救われないのか』

弱者はもう救われないのか (幻冬舎新書) [ 香山リカ ]

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感想(0件)

いざ読んでみると、先ほどの前向きで明るい勝間さんの本とはうって変わって、香山先生のこの本は(失礼かもしれませんが)なかなか重くて暗い内容だなというのが、正直なところ感想としてありまして、読み始めて最初の方はそのギャップになかなかついていけなかったです。この本は個人的には、勉強になったというところが大きく、格差に関する近代史に始まり、香山先生(と石原慎太郎氏)が育った北海道・小樽の特異性、「弱者を救う理由」に答えを出すべく宗教や倫理学社会学などの主張を一つずつ丁寧に検討している点など、読んでいて得られるものは多かったように思います。ただし、学校で習う公民(倫理)が苦手だったという人(僕もその一人)には少し難しすぎるかもしれません。

この本の中で香山先生が、

(略)だからこそ、このような自己犠牲的行動や献身的行動は人間に本来、備わっているはずのものなのか、それとも外から与えられて初めて見につくものなのか、私たちはしっかり考えなければならないのである。 

と書いているところがあるのですが、勝間和代さんとの対談『勝間さん、努力で幸せになれますか?』でも、似たようなことを書かれていたのを思い出しました。

人に親切にするのは、人間にもともと備わった性質なのか、それともご褒美があるからやるだけなのか。このところをしつこく聞いてみたのだけれど、結局、私にはよくわからなかった。 

この問いや「なぜ、弱者を救うべきなのか」という問いに対して、宗教や倫理学社会学をはじめとして様々な考え方が提示されるのですが、そのどれもが完全ではないことがこの本の中では示されます。

では、最後はどのように答えが出されているのか、気になる方は実際に読んでみることをお勧めいたします。

 

 

今回のエントリはいかがでしたでしょうか?今回は3冊の本について紹介させていただきましたが、これからもこのブログで読んだ本を紹介するべく、読書を続けてまいりたいと思います。

それでは、次回またお会いできるのを楽しみにしております。

See you again!