ホウ砂に吹かれて

コンサータ72mg男が書きたいことを書きたいときに書くブログ

『戦国武将の精神分析』第1章を読んで

 

 

今回取り上げるのは、歴史学本郷和人先生と

脳科学中野信子先生による 『戦国武将の精神分析

という本になります。

僕自身、中野信子先生のファンと言うこともあり、

中野先生の名前を見つけるやいなや、手に取った

本であります。

正直に申しますと、今現在第1章までしか読んで

いないのですが、それでも中野先生の鋭い分析が

光っており、面白いナァと思いながら読み進めて

いるところです。

今回の記事では、第1章まで読んだ中で、

僕が個人的に興味深いと思った点について

触れていきたいと思いますので、どうか最後まで

お付き合いくださいませませ。

 

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お父さんこそ育児休暇を取りましょう

斎藤義龍にまつわる史実から父親と子どもの

関係について触れられていました。

というのも、母親と子どもの場合は出産という

身体的経験により母子の絆が出来る一方で、

父親と子どもの場合、そういった身体的な

経験がないため、言ってしまえばほぼ他人の

ようなものだということが言われていました。

では、どのようにして父子の絆を形成するか

というと、「一緒にいる時間の長さ」や

「共有した経験の多さ」によるのです。

ですから、育児休暇というものは母親の負担を

減らすという側面もありますが、父親が“父親”に

なるためにも必要なのです。

”父親”になれていないうちは、子どもにとっては、

「エサを持ってくるオス」でしかないのです。

自分の子どもが自分よりも母親に懐いていると

悩んでいるお父さんは、このことを念頭に

お子さんとふれあう機会を増やしてみると

いいのかもしれません。

 

 

認知的不協和で家臣を支配しようとした伊達政宗

伊達政宗は自分の父親を家臣に殺させています。

これは自分で手を下したくないということがあったのでしょうが、

どうやらそれだけではないようです。

というのは、ヒトは自分が望んでいないことを命令された際、

それに対してインセンティブが少ないほど、

「自分は望んでこの人のためにこれをやったんだ」

という気持ちが強まるのです。

このことを認知的不協和といい、それを利用して家臣を

支配しようとしていたのではないか、ということです。

 

 

「複数の人に可愛がられた」と言えば聞こえはいいが・・・

徳川家康のことを中野先生は回避的であると見ています。

回避的な性格の子どもはどのような環境で育つのかというと、

養育者が頻繁に変わるなどで、いっぱいいるような環境で

育つといいます。

例えば、「おばあちゃんにもお母さんにも可愛がられた」と

いうように、一見複数の人から愛情受けているように

思えますが、特定の人と強い結びつきがない場合です。

家康は幼い頃から人質に出され、養育者がいっぱい変わっており、

「特定の人と情緒的な絆を作らない」条件のもと、育っています。

このような育ち方をすると、知能は高くなりますが、

誰も信用しないような子どもに育ってしまいます。

 

 

毒親のはしり、淀殿

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

こちらのYahoo!知恵袋の質問と同様の疑問を

本郷先生は抱いていたことから、産婦人科医に

そのことについて聞いてみたといいます。

  それと、秀吉の身体と非常に相性のいい女性で、子どもを作りやすい条件があるとすれば、同じ人が二人の子ども(鶴松と秀頼)を生むことってあるのかなと僕は以前思っていました。しかし、ある時に産婦人科の先生に聞いたら、めったにないことだと言われたんです。ほかの女性との間に子どもは出来ないけど、淀殿との間にだけその「めったにない」ことが二度起こったというのは、「天文学的な確率の奇跡が起こった」ということだそうです。

天文学的な確率の奇跡が起こった」とまで

産婦人科医に言われてしまうと、それってもう

ほぼ秀頼は秀吉の子じゃないってことですよね?

ただ、当時秀吉や淀殿の近くにいた人たちは

そう思っていても、秀吉や淀殿に殺されるのが怖くて

怪しんでいてもそれを口に出すことはできなかった

のでしょう。

 

また、中野先生が毒親モンスターペアレントのことを

野生の母熊に例えていて、言い得て妙だな、と

少し感心してしまいました。

中野 そうです。野生の母熊とか怖いですよね。捨て身で向かってくるでしょ。自分の命が 奪われようと。ああいう状態に人間もなるんですよ。

(略)

本郷 すごいですね。人間って本当になんか、動物なんですね。

中野 動物ですよ。人間が意思で決めている部分は意外と少ないと思います。

本郷 そうすると、淀殿毒親になるのも仕方ないでしょうね。

 

 

今回のエントリはここまでです。

この本の第2章以降についても、(読んで気が向いたら)

追ってこのブログで取り上げたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それでは、またお会いしましょう。