発達障害は武器になる…のか?
発達障害。
この言葉を目にすると、
「空気が読めない」とか、
「生きづらさ」といった、
ネガティブな言葉が浮かんでくるものですが、
その一方で、発達障害が有利に働くことがあるという
ポジティブな考え方もあります。
今回はポジティブな立場から書かれた、
という本について触れていこうと思います。
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発達障害の診断を受け、手帳まで持っている僕としては、
この本を書店で見つけたとき、手に取らずにはいられませんでした。
この本を読んだ感想としては、成毛氏の人生ってスゴいな、
なんて感心させられながら、面白く読めました。
(診断こそ受けていませんが、成毛氏はご自身のことを
発達障害かもしれないと言っています。
ただ、成毛氏の人生がスゴいからといって、
発達障害者がみんな彼のマネをすればいいか、とか
彼のような人生を送れるか、というとそうではない、
という感想を持ちました)
お二方それぞれが医師としての立場から発達障害について
どのように考えているか、ということを窺い知ることが出来、
興味深く読み進めることが出来ました。
ここからは、この本を読んでいった中で、
僕の中で引っかかるものがあった点を取り上げていきたいと思います。
失敗を反省しない、という話
付き合いのある編集者の本が売れないという相談に対して、
成毛氏は「反省してはいけない」とアドバイスしたという
エピソードがありました。
「反省はしても、後悔はしない」という意味不明な格言が、
一時期流行りましたが、そうではないんです。
一見、「失敗を反省して次に生かせ」というのは、
もっともらしく聞こえますが、「反省する」ということは、
次のような悪循環に陥るからダメなんじゃないかと思う
思うようになりました。
失敗する
↓
反省する
↓
「失敗する可能性があるのでやってはいけないこと」リストが増える
(成功する可能性だってあるかもしれないのに!)
↓
出来ることが少なくなる(機会損失)
↓
成功しにくくなる
その一方で、発達障害者チックな人が多いIT経営者は
危険を顧みず、思ったことをすぐにやれる強みがあるというのです。
失敗を反省することで成功する機会を逸していないか、
気をつけたいものです。
成毛氏の娘さんもスゴかった
成毛氏はこの本の中で、娘さんのことも触れており、
彼女もまた下のような特性から、ADHD風味であると
いうことでした。
- 習い事が長続きしない
- 朝起きてしばらくは人と目を合わせられない
- きちんと椅子に座っていられない
- テレビゲームに過集中する
その娘さんのエピソードの中で僕が一番スゴいな、
と思ったのは、就職活動の時に「世界の穀物市場」について
過集中を発揮して知識を蓄え、面接官を驚かせたくだりでした。
自分も過集中をはじめ、発達障害者の特徴が多々あることは人から
指摘されるのですが、それが自分の人生に活きているな、
と実感することがなかったものですから、このエピソード含め、
成毛氏の娘さんの人生がただただ羨ましかったです。
最後に
結局のところ、この本を読んだ感想としては、
ただただ成毛氏や娘さんの人生がうらやましいという
話になってしまうのですが、僕がこの本に書いてあった
ことをそのままマネしていいのかというと、それは
違うように思います。
著者が今までに生きてきた環境も恵まれているな、
と思うところもありましたし。
発達障害者同士でも特性が違うところは多々ありますし。
下手すると、発達障害者がこの本を読んで、
著者と自分を比較して落ち込むっていうこともあるのかな、
ということも考えてしまいました。
ですので、この本は発達障害者が人生を生き抜く
ノウハウ本としてではなく、読み物として楽しむくらいが
いいのかもしれません。
(著者の意図に反していたらスミマセン)
今回はここまでになります。
最後に、著者の成毛氏の言葉を引用して終わりたいと思います。
誤解を恐れずに言おう。私が伝えたいメッセージは、ごくシンプルだ。
「ADHDはもし矯正しなくて済むものなら、矯正しない方が幸せに生きられる」
それって環境次第だよなぁ・・・ゴホンゴホン
それでは、またお会いしましょう!