ホウ砂に吹かれて

コンサータ72mg男が書きたいことを書きたいときに書くブログ

ツイッターで #吹奏楽の伝説 というタグが流行ったので。

つい先日まで、ツイッター吹奏楽ファンの皆さんの間では #吹奏楽の伝説 という自分のお気に入りの演奏を紹介するタグが流行っていましたので、”吹奏楽コンクール厨房”を自称する僕も乗っかってみることにしました。

ただ、全国大会の演奏に関しては、どうせ誰かが紹介しているだろう、ということや、僕自身聴きに行けたことがありません(奏者側としても行けたことはありません)ので、全国大会以外の演奏を紹介することとしました。 

1/3 2008年 専修大学北上高等学校

このときの宇宙の音楽はとにかくスゴかった。聴いてて過集中になったもん。

結局この年の専修大学北上高は東北大会金賞まで行きましたが、これを最後に岩手県高等学校旧Aクラスからは東北大会金賞が出ていません。頑張れ! 

2/3 2016年 聖徳大学付属女子中学校・高等学校

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↑こちらのエントリでも紹介しておりますが、最初編成を見たときはビックリしました。しかしながら、演奏自体は心配したような不安定さはなく(中学生もいる小編成なのに!)、なみいる強豪55人編成にしっかりと肩を並べていました。 

3/3 2017年 作新学院高等学校


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 ↑こちらの作新学院高さんの演奏はこのエントリで紹介させていただいております。
この演奏にはとても感動させられました。コンクール終了後、即売の音源を買って、帰って聴いたんですけど、「あ、あの感動は直接聴かないと100%じゃないな」って。真島富士山でこの年の作新学院高を超える演奏にはまだ出会えていません。 

番外編 曲の改変について

吹奏楽の伝説」に絡めて、曲の改変に苦言を呈されていた方がいたので、1999年の吹奏楽コンクール、福岡工業大学附属城東高等学校が取り上げた櫛田胅之扶作曲『元禄』についてコメントしておきました。
このお話を屋比久勲先生から伺ったのは大学時代に参加した指導者講習会の中の講演会です。

 

2020茨城県学校吹奏楽コンテスト高等学校の部A部門の感想を。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、吹奏楽コンクールが中止となってしまいましたが、茨城県では”茨城県学校吹奏楽コンテスト”という形で代替大会が開催されました。

インターネットから配信されているということで、今回のエントリでは高等学校の部A部門の感想をしたためておきたいと思います。

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  1. 大成女子高等学校 月組 —銀賞
    レ・ミゼラブル(おそらく森田版?)を演奏。
    最初の方はタテのズレなど技術的に甘い部分が散見されましたが、尻上がり的に演奏が良くなっていきました。場面転換もお見事。
    欲をいえば、ミュージカル作品ですので「歌」をもっと感じられたらよかったナァ、と思います。

  2. 明秀学園日立高等学校 —銀賞
    紺碧の波濤(長生淳)を演奏。
    この曲はソロやソリが多いですが、どれも美しくこの曲を選んだことに納得。
    テンポの速い場面ではより「勢い」が出ればよかったですが、全体的にはハーモニーが豊かな好演でした。

  3. 茨城県立水海道第一高等学校 —銅賞
    ミス・サイゴン(宍倉版)を演奏。
    序盤は若干の不安定さもありましたが、曲が進行するにつれ調子が出てきたようでした。
    ソプラノサクソフォンの目が覚めるような音色には鳥肌が立ちました。相当練習されたのでしょう。
    全体的な演奏としては、アーティキュレーションにこだわりが感じられました。また、特に「今がこのとき」では合奏体としての一体感が素晴らしかったです。

  4. 霞ヶ浦高等学校 —銀賞
    復興(保科洋)を演奏。
    バスドラムのロールとクラリネットの旋律が重なり合う冒頭に始まり、曲のしかるべき場面において緊張感がよく出ていました。また、連符などの主旋律以外の声部もよく聴こえてきて、作曲者が意図したであろう効果がよく表現できていたと思います。
    アルトサクソフォンのソロも艶のある音色で非常に上手でした。

  5. 茨城高等学校 —銀賞
    湖月の神話(田村修平)を演奏。
    比較的人数が少ないのですが、音の乱れはほとんど感じられず、スッキリとしたサウンドのバンドです。
    個人の力量も高く、音のコントロール(音色や音型)が自在なので、曲想の変化にも対応できています。結果、演奏からは生き生きとした印象を受けました。

  6. 聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校 —金賞
    歌劇「ヘンゼルとグレーテル」第二幕より(鈴木版)を演奏。
    最初からやわらかくバランスの良い、なおかつしっかりと響いたサウンドにビックリしました。サウンドだけでなく、聴衆をウットリさせるような歌いこみもお見事でした。今年、吹奏楽コンクールがあったらかなりいいところまで行っていたと思います。
    このサウンドを会場で直接聴いてみたかったです。
    本日の白眉です。

  7. 水戸女子高等学校 —金賞
    GRよりシンフォニックセレクション(天野正道)を演奏。
    流石の安定感です。サウンドもゴージャスでした。
    安心して聴いていられる反面、音楽表現として緩急の差をもっと大袈裟に出してもよかったと思うのは欲張りな注文でしょうか?

  8. 常総学院高等学校 —金賞
    アルプス交響曲より(本図版)を演奏。
    日の出の冒頭が決まったのはカッコよかったです。演奏全体を通して各セクション自分の見せ場を自信を持って演奏していて、その上手さもさることながら、自分の役割に誇りをもって演奏している姿勢に感心いたしました。
    各場面の表現も流石で、色彩感豊かな演奏でした。

  9. 大成女子高等学校 雪組 —金賞
    バレエ音楽シバの女王ベルキス」より(木村版)を演奏。
    金管群を中心とした重厚なサウンドが印象的でした。とはいえ、艶のある木管セクションも素晴らしかったです。
    第4楽章では金管群の発音に若干の歯切れの良さが望みたいところでしたが、感動的なフィナーレを迎えることができました。

 

 ここまでいろいろなことを書いてきましたが、どのバンドも本当に素晴らしい演奏でした。
しかしながら、自宅でイヤホンを通して聴いたものですから、会場で直接聴けたらもっと感動したのにな、という感想も同時に持ちました。
来年こそは、どういう形であれ会場で直接聴けるよう状況になっていてほしいです。

今回はここまでになります。最後まで読んでいただきありがとうございました。 

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一時期の生駒中学校✕ショスタコーヴィチの相性の良さは何だったんだろう

2019年の全日本吹奏楽コンクールでは7年ぶりの全国大会出場を果たし、見事金賞を受賞した奈良県生駒市立生駒中学校ですが、僕が個人的にスゴいと思っているのは、2007~2008年にショスタコーヴィチを取り上げていた時期のあの神がかっていた演奏なんです。

あの時期の牧野耕也先生✕生駒中学校✕ショスタコーヴィチの相性の良さは何だったんでしょう?

 

いろいろ素晴らしい点はありますが、個人的に一番感心したのは、発音の美しさです。これらの曲に挑戦するバンドは後を絶ちませんが、それらのバンドとは一線を画しており、モヤッとしたり、薄らぼんやりしたようなところが皆無なんです。
高校生どころか、オトナ顔負けの演奏です。

僕の記憶が確かならば、生駒中学校がコンクールでショスタコーヴィチを取り上げたのはこの2曲だけだったと思いますが、ほかの曲にも挑戦して欲しかったです。
残念ながら、牧野耕也先生はお亡くなりになられていますので、牧野先生✕生駒中学校✕ショスタコーヴィチのコンビネーションは実現しませんが、昨年久しぶりの全国大会金賞も実現したことですし、生駒中学校にはさらなる活躍を期待したいと思います。

CD インフィニティ II OSBR-25033/指揮:牧野耕也/生駒市生駒中学校吹奏楽部

 

CD インフィニティ III(指揮:牧野耕也/生駒市立生駒中学校吹奏楽部)